つみたてNISAだけで老後は安心?知らないと損する“次の一手”
◆ 「つみたてNISAをやってるから安心」…本当にそう?
ここ数年、資産運用のスタンダードになった「つみたてNISA」。
銀行やSNSでも耳にしない日はないほど、人気の制度ですよね。
確かに、非課税で投資できるお得な制度ですが、
実は「つみたてNISAだけ」では老後資金をすべてまかなうのは難しいんです。
なぜなら、老後に必要なお金の総額と、NISAの非課税枠には“差”があるから。
今回はその“差”を埋める、次の一手をFP目線でお伝えします。
◆ つみたてNISAの限界:非課税枠は「無限」じゃない
新しいNISA制度では、
- 年間投資枠:最大360万円
- 生涯投資枠:1800万円まで
と、旧制度より大きくなりました。
でも
「非課税で1800万円投資できる=老後資金が足りる」ではありません。
老後に必要とされる資金は、
夫婦2人で約2000〜3000万円とも言われています。
生活費や医療費、介護費などを考えると、
NISA枠を満額使ってもそれだけではカバーしきれない可能性があります。
◆ “次の一手”①:iDeCo(イデコ)で老後資金の“専用口座”を作る
iDeCoは、老後のための自分専用年金制度。
NISAと違って、掛金が全額所得控除の対象になるので、節税効果が非常に高いです。
たとえば年収600万円の方が月2万円をiDeCoで積み立てると、
年間で約3.6万円の税金が戻ってくることも。
NISAが「いつでも使える資産」だとすれば、
iDeCoは「60歳まで下ろせない、将来の自分へのプレゼント」です。
目的を分けて使うことで、老後資金の安心度がグッと上がります。
◆ “次の一手”②:現役時代の「キャッシュフロー」を整える
老後資金は「運用だけ」で作るものではありません。
実は一番大事なのは、現役時代に“貯めやすい家計”を作ること。
- 固定費を最適化する
- 不定期支出(旅行・車検など)を計画に入れる
- 投資に回すお金を「自動で積み立て」できるようにする
この仕組みができていないと、
投資で増やしても結局取り崩してしまい、老後に残りません。
つまり、家計管理×投資=最強の老後対策です。
◆ “次の一手”③:資産の「取り崩し方」も知っておく
資産を増やすことばかりに意識が向きがちですが、
実は**「どう使うか」も同じくらい大切**。
例えば老後の生活費を投資資産から取り崩す場合、
- 株式と債券を組み合わせてリスクを分散
- 毎年一定割合(例:4%)を取り崩す
といった“出口戦略”を知っておくと安心です。
積立と同じく、「計画的に使う」ことで資産寿命を延ばすことができます。
◆ FPからのひとこと
つみたてNISAは素晴らしい第一歩。
でも、**“老後資金の完成形”ではなく、“スタートライン”**なんです。
NISAで資産を育て、iDeCoで将来に備え、
家計の仕組みを整えて「取り崩し」まで見据える。
この3つがそろえば、
将来の不安は「数字」でコントロールできるようになります。
投資は「お金のレッスン」ではなく、
**“未来の自分を安心させる習慣”**です。
今日できる一歩を、ぜひ始めてみてください。


