変額保険って本当におトク?

~知らずに入ると「貯まらない保険」になる理由~

◆ 「保険で運用できる」と聞いて入ったけれど

「銀行でおすすめされたから」「担当の人に勧められたから」
そんなきっかけで変額保険に入っている人は多いです。

実際、相談に来られる方の中でも

「貯蓄にもなると言われて契約したけど、今の評価額が下がってて不安」
という声はとてもよく聞きます。

変額保険は確かに“運用しながら保障もある”商品ですが、
仕組みを理解せずに入ると「思ってたのと違う」結果になることもあります。

◆ 変額保険の仕組みをざっくり言うと

変額保険は、支払った保険料の一部を投資信託などで運用するタイプの保険。
運用成績によって「解約返戻金」や「満期時の受取額」が増減します。

つまり、

  • 運用がうまくいけば、将来の受取額は増える
  • 運用が悪ければ、元本割れすることもある

という、リターンもリスクもある保険なんです。

さらに、運用中にも「保険のコスト(保障・手数料)」がかかるため、
同じ金額を純粋な投資信託で運用するより実質の利回りは低くなる傾向があります。

◆ 具体例で見る「増える人」と「増えない人」

たとえば30歳のAさんが、月3万円の変額保険に加入。
保険料の内訳は、

  • 2万円:運用部分
  • 1万円:保険保障・手数料

仮に年3%で運用できても、
実際に増えるのは“2万円分だけ”。
この「保険料の中のどれだけが運用に回っているか」が、
結果に大きく影響します。

一方で、同じ3万円をつみたてNISAで運用すれば、
すべてが投資に回り、手数料も低く、
20年後には約480万円まで成長することもあります。

もちろん、変額保険にもメリットはありますが、
“貯金代わり”として選ぶのはリスクが大きいです。

◆ 変額保険が向いている人・向いていない人

向いている人向いていない人
保険と運用を一つにまとめたい保険はシンプルに、運用は自由にしたい
長期で続けられる(15年以上)数年で見直しや解約の可能性がある
解約返戻金の変動を理解している元本割れが怖い、安定重視の人

保険は「途中でやめにくい商品」。
もし途中解約すると、手数料や解約控除で元本割れするケースがほとんどです。
だからこそ、“長く続ける覚悟”がある人だけに向いています。

◆ FPからのひとこと

変額保険は「悪い商品」ではありません。
でも、「貯まる」と思って入ると失敗しやすい商品です。

保障が必要なら保険で、
お金を増やしたいなら投資で、
目的を分けて考えることが一番のリスク対策。

あなたのお金を増やす最短ルートは、
“複雑な商品に頼らず、仕組みを理解すること”から始まります。