医療費控除・保険料控除…確定申告で“戻るお金”をチェック

~申告しないと損する、見落とされがちな控除とは~

◆ 「確定申告=自営業のもの」と思っていませんか?

実は、会社員や専業主婦でも“申告した方が得になるケース”は多くあります。
特に、「医療費控除」「生命保険料控除」「寄附金控除」などは、
確定申告をしないと戻ってこないお金

年末調整では反映されない“取り戻せるお金”を、今こそチェックしてみましょう。

◆ 医療費控除:年間10万円を超えたらチャンス

医療費控除とは、1年間(1月〜12月)に支払った医療費が一定額を超えると、
その一部を所得から差し引ける制度です。

【対象になるもの】
・病院・歯科・整体などの治療費
・処方薬代
・通院のための交通費(電車・バスなど)
・家族分も合算OK(生計が同じなら)

【対象外のもの】
・美容目的の施術
・健康食品・サプリメントなど

控除できる金額の目安は、
支払った医療費 − 保険金などの補てん − 10万円(または所得の5%)。

たとえば、医療費が30万円で保険から5万円戻った場合、
30万 − 5万 − 10万 = 15万円が控除対象。
税率10%なら、約1.5万円の税金が戻る計算です。

◆ セルフメディケーション税制も忘れずに

市販薬の購入額が年間1万2,000円を超えた場合に使える制度。
通常の医療費控除とどちらか一方を選択できます。

対象の薬には「セルフメディケーション税制対象」マークがついています。
レシートを取っておくだけで、確定申告時に申請が可能です。

参考:厚生労働省:セルフメディケーション税制について

◆ 生命保険料控除:契約していれば誰でも使える

生命保険・医療保険・個人年金保険などに加入している人は、
年末調整や確定申告で申請すれば税金が軽くなる可能性があります。

3種類の控除を合計で、最大12万円まで所得控除が可能。

区分上限額
一般生命保険料控除4万円
介護医療保険料控除4万円
個人年金保険料控除4万円
合計最大12万円

年末に届く「保険料控除証明書」を提出していない場合、
確定申告で自分で申告すれば還付が受けられます。

◆ その他の見逃しやすい控除

控除の種類内容上限額の目安
寄附金控除(ふるさと納税)自治体への寄附が税額控除の対象住民税の約20%まで
社会保険料控除国民年金・健康保険などの支払い全額制限なし
小規模企業共済等掛金控除iDeCo・共済など年額上限81.6万円
雑損控除災害・盗難・事故などによる損害被害額に応じて

◆ FPからのまとめ

控除は「申告しなければゼロ」。
つまり、知らない=払いすぎているということ。

ポイント
・医療費が10万円を超えたら領収書を整理
・保険料証明書をチェック(未提出分があるか)
・寄附金・iDeCo・年金も忘れずに

確定申告は「お金を取り戻すチャンス」。
毎年の見直しで、数万円単位の差が生まれます。

◆ 家計相談のご案内

「どの控除を使えるか整理したい」
「医療費や保険料を踏まえて家計を見直したい」

そんな方は、家計全体を見ながら、
使える制度や控除のポイントを一緒に整理します。