「なんとなく貯金」から抜け出すための、お金の使い方のルール
~がんばっているのに貯まらない人へ~
◆ 貯金ができないのは、性格の問題じゃない
「節約してるのに貯まらない」
「なんとなく毎月お金が消えていく」
そんな相談をよく受けます。
でも、貯まらないのは“意志が弱いから”ではありません。
原因は、お金に“行き先ルール”がないからなんです。
たとえば、30代共働き夫婦のAさん。
毎月の手取りは2人で45万円。
生活費をまとめて1つの口座で管理していたため、気づくと残高がゼロ。
でも実際に家計を分けてみると、「旅行積立」「車検」「教育費」など“見えない支出”が月に6万円ほどありました。
これを分けた途端、「貯まらない理由」がハッキリしたんです。
◆ 「先取り」がすべてを変える
Aさんが最初にやったのは、「先取り貯金」。
給料が入ったら、まず最初に「貯金」や「積立NISA」に自動で振り分ける仕組みを作りました。
たとえばこんな感じ👇
- 給料日:25日
- 自動振替:26日に普通預金→別口座(1万円)
- 投資信託の自動積立:27日(1万円)
残りで生活する。これだけです。
「最初に引く」というルールに変えただけで、3か月後には残高が10万円増えていました。
貯金が苦手な人ほど、仕組みに頼ることが大切。
「気づいたら貯まってる」を作れれば、意志の力はいりません。
◆ 「見えない支出」をなくす
次にAさん夫婦が見直したのは“出ていくお金”。
サブスクをチェックしたら、ほとんど使っていない動画配信やアプリが毎月4,000円。
クレカの引き落としも、合計してみると「小さな固定費」で月1万円近く払っていました。
これを整理して、浮いたお金を「将来の積立」に回すことに。
数字にするとたった数千円でも、年間で12万円以上の違いになります。
家計は“見える化”した人から強くなります。
◆ 「使うお金」にも優先順位を
お金を全部節約する必要はありません。
大事なのは「使うお金の質」を上げること。
たとえば、
- 旅行で家族の思い出を作る
- 資格の勉強で収入アップを目指す
- 健康のために良い食材を選ぶ
こういうお金は、**“戻ってくる支出”**です。
逆に、「なんとなくの買い物」「SNSで見て衝動買い」は“消える支出”。
お金を使う前に、ほんの3秒だけ「これは戻ってくるかな?」と考えてみてください。
その小さな意識が、1年後の残高を変えます。
◆ FPからのひとこと
お金は、貯めるより“流れを整える”ほうが大事です。
目的を持たずに動くお金は、どこにあるか分からなくなって消えていきます。
でも、「入る・貯める・使う」の流れを整えると、自然と安心感が増えていきます。
Aさん夫婦も今では、「今月もちゃんと貯まってるね」と笑えるようになりました。
お金は、努力より仕組みと意識。
できることから、ひとつずつ整えていきましょう。


