ふるさと納税、上限をムダにしない計算のコツ
◆ 「なんとなく上限額」で寄付していませんか?
ふるさと納税は、上手に使えば家計にとって心強い制度です。
応援したい自治体に寄付ができ、返礼品も受け取れる。
さらに、一定の上限内であれば、自己負担は原則2,000円で済みます。
ただし、ここで大切なのが「上限額」です。
この上限を超えて寄付すると、超えた分は自己負担になります。
つまり、よかれと思って多めに寄付したのに、結果的に損をしてしまうこともあるのです。
ふるさと納税は「いくら寄付するか」より、まず「いくらまでなら自己負担2,000円で収まるか」を確認することが大切です。
◆ ふるさと納税の上限は、人によって違う
ふるさと納税の控除上限額は、年収だけで決まるわけではありません。
影響する主なものは次の通りです。
・年収
・家族構成
・配偶者控除や扶養控除の有無
・社会保険料
・生命保険料控除
・住宅ローン控除
・iDeCoの掛金
・医療費控除
同じ年収でも、扶養家族がいる人と独身の人では上限額が変わります。
住宅ローン控除やiDeCoを使っている場合も、ふるさと納税の上限に影響することがあります。
国税庁によると、ふるさと納税の控除は、所得税分・住民税基本分・住民税特例分に分かれ、住民税特例分には所得割額の20%という限度があります。ここを超えると、自己負担2,000円では収まらなくなります。
◆ 上限額をムダにしないための3ステップ
ふるさと納税をするときは、次の順番で考えると失敗しにくくなります。
1. まずは前年の源泉徴収票で仮計算する
最初に使うのは、前年の源泉徴収票です。
・給与収入
・社会保険料
・生命保険料控除
・扶養の有無
・住宅ローン控除の有無
これらをもとに、各ふるさと納税サイトのシミュレーションで大まかな上限額を出します。
ただし、これはあくまで目安です。
今年の収入が前年と大きく変わる場合は、そのまま使うとズレが出ます。
今年の変化を反映する
次に、今年の家計や働き方の変化を確認します。
たとえば、
・転職した
・産休・育休に入った
・収入が増減した
・子どもが扶養に入った
・iDeCoを始めた
・住宅ローン控除が始まった
・医療費が多かった
こうした変化がある年は、ふるさと納税の上限額も変わります。
特に注意したいのは、育休・時短勤務・退職などで収入が下がった年です。
前年と同じ感覚で寄付すると、上限を超えてしまう可能性があります。
最後は「少し控えめ」に寄付する
シミュレーションで上限額が5万円と出た場合、ぴったり5万円まで寄付するのではなく、少し余裕を持つのがおすすめです。
目安としては、上限額の8〜9割程度。
たとえば上限5万円なら、4万円〜4.5万円くらいにしておく。
このくらい余白を残しておくと、年末調整や医療費控除などでズレが出ても安心です。
ふるさと納税は、上限ギリギリを攻めるより、ムダなく安全に使う方が家計には向いています。
◆ よくある失敗例
失敗1:住宅ローン控除を考えずに寄付する
住宅ローン控除を受けている人は、所得税や住民税からすでに大きな控除を受けている場合があります。
そのため、ふるさと納税の上限額が思ったより低くなることがあります。
特に住宅ローン控除1年目は、確定申告も関係するため注意が必要です。
失敗2:医療費控除を後から入れる
医療費控除を使うと、課税所得が下がります。
その結果、ふるさと納税の上限額が下がる場合があります。
「今年は医療費が多かった」という年は、先に医療費控除を見込んでから寄付額を考える方が安全です。
失敗3:年収見込みを高く見積もる
ボーナスが減った、転職した、育休に入った。
こうした年は、年収が想定より下がることがあります。
ふるさと納税の上限は、その年の所得で決まります。
前年の年収だけを見て寄付すると、上限を超えてしまうことがあるので注意しましょう。
◆ ワンストップ特例と確定申告の違いも確認
会社員の場合、ふるさと納税はワンストップ特例制度を使う人も多いです。
ワンストップ特例は、確定申告をしなくても控除を受けられる便利な仕組みです。
ただし、利用できるのは寄付先が5自治体以内など、一定の条件があります。
また、医療費控除や住宅ローン控除1年目などで確定申告をする場合は、ワンストップ特例は使えず、ふるさと納税分も確定申告に含める必要があります。
ここを忘れると、控除が反映されないことがあります。
◆ FPからのまとめ
ふるさと納税は、家計にとってメリットの大きい制度です。
でも、上限額を正しく見ないまま寄付すると、自己負担が増えてしまいます。
上限をムダにしないコツは、次の3つです。
・前年の源泉徴収票で仮計算する
・今年の収入や控除の変化を反映する
・上限ギリギリではなく、8〜9割で止める
特に、住宅ローン控除・医療費控除・iDeCo・育休や時短勤務がある年は注意が必要です。
ふるさと納税は「たくさん寄付すること」より、
自分の家計に合った範囲でムダなく使うことが大切です。
◆ 家計相談のご案内
「ふるさと納税の上限がよく分からない」
「住宅ローン控除やiDeCoと一緒に考えたい」
「今年の収入変化を踏まえて、家計全体を整理したい」
そんな方は、家計全体を見ながら、使える制度や控除のポイントを一緒に整理します。

